トラットリア、―――あ、トラットリアって言うのは、フランス料理で言うところのビストロみたいな位置づけのイタリア料理店です―――そのトラットリアで働く若者の話なんですけど、これが熱いんですよ!
地元の店では一人前のつもりだった主人公が、六本木の有名店にヘルプに行く事になるんです。 最初は余裕こいてるんですけど、すぐにプライドを打ち砕かれるんです。 そりゃもう粉々に。 ありますよね、こういう事(苦笑)。
で、そこから始まる成長ストーリーなんですけど、今時ありえないくらいに物語が熱い(笑)。
僕も一時期はレストランで働いてから分かるんですけど、料理の世界っていうのはちょっと特殊で―――いや、もしかしたらガテン系の技術職はみんなそうなのかもしれませんけど―――基本的には教えてくれないんですよね。 新しいレシピとかが出て、先輩に「教えてください」って言いに行っても、スルーとか普通で。 仕方ないから暫く粘っていると「何ンだよ。 早く仕事しろよボケ!」とか言われる訳です。 凄い世界ですよね(笑)。
仕方ないから自分の仕事をしながら、盗み見るんです。 そうやって覚えていく。 ま、僕がいた店はまだ優しい方で、場合によっては教えてくれたりしたんですけどね。 最近は「厳しくすると若いモンはすぐに辞めちまう」って、そういう店も増えてるらしいです。 でも街で知り合った寿司職人見習いのヤツとかは本当に壮絶でしたね。 なんでも一日18時間労働で週6日勤務だとか。 しかも住み込みで。
だからって言うんでもないんですけど、僕は誰かから技術や知識を教えて貰うという事にちょっと、なんて言うのかな、一呼吸躊躇しちゃうみたいな所があるんです。 気持ちの上で。 職場で、自分の仕事とは直接的に関わりの無い技術に関して聞きたい時なんかは、特にですね、これでもかっていうくらい丁寧になっちゃう。 正座とかしてますよ(笑)。 でもそれは本当に、知識や技術を教えて貰うって事は大変な事なんだって思ってるからなんです。 その人の時間と苦労と脳の一部を無料で貰うって事ですから。 とてもとてもありがたく頂戴しないといけない。 ポーズって訳じゃ無いんですよ(笑)。
あ、もちろん、オープンソースとか、そういうのを否定している訳じゃないですよ。 感謝して使おう、って思ってるんです。
だから僕は常々思ってるんです。 Web系を目指してる若い人達は、学生の時のバイトにはぜひ飲食業を選んでほしいなって。 ゴハンも出て食費も浮くしね(笑)。

