残酷トリオへのインタビュー
ミルキーウェイと言えば、ieiriとdaiskipの二人による、IT業界のライト兄弟とも呼ばれるユニットである。今回、paperboy&co.で開催された『お産合宿』において、同社で働くneoを加え、新ユニット『残酷トリオ』として【2manji】をリリースするに至った。
代表取締役であるieiriのサービス開発に対するこだわり。企画と発想を武器にするデザイナーdaiskipの想い。ともすれば受け身になりがちなカスタマーサポートという立場でも『paperboyならやれる』ということを体現したneo。
11月某日、リリースを前にして、気持ちを高ぶらせる三人に話を聞いた。
はじめに、どういう経緯で【2manji】というサービスができたのかを教えてください。
neo「うちの会社って社員一人一人のキャラクターがすごく立ってて、本当に面白いんですね。で、そんなみんなのインタビューが録りたいっていう、自分の中での企画があったんです。それはいつかやりたいと思って温めていて。その話をdaiskipにしたら、『考えとく』って言われて。いつの間にかタンパク(※1)に『モックが出来たよ』っていう記事があがってきたんです。」
daiskip「そうですね、最初にneoから話を聞いたときは単純に読みもの系のコンテンツみたいなものかなと思ってて、『考えとく』とは言ったものの、たぶん考えないんだろうな俺、とか思ってたんです。いつもの感じで(笑)。それから何日か経って、ちょうど通勤時ですね、多摩川をこう、ずきゅーーーーんって、歩いてたんですね。その時に『サービス化できそうなカタチ』っていうのが見えてきた。で、僕はけっこう自由に仕事できるポジションにいるんで、その日の朝からモックアップを作ってましたね(笑)。結構シンプルにやれそうだったんで、あっという間にできました。それでどういう動きになるかっていうのを見せられる状態になった段階で、タンパクに自慢げに書いたみたいな(笑)。そしたら思ったよりみんなの反応が良かったですね。」
開発合宿とは全く別のところで、daiskipさんがタンパクに掲載したのがはじまりということですね。当初ieiriさんはあんまり興味を持たれなかったとのことですが。
ieiri「あのときちょうど僕は、個人的に躁か鬱かでいうと鬱のほうに触れてたんで(笑)、それがまああって、結構ね、みんながワーワー書いてるところを見るとケッて思っちゃうっていう、そういう思いで見てましたね。」
周りが騒いでると冷めてしまうっていう状態ですね。でもそんな三人が合宿で一緒のチームになった経緯というのは?
neo「開発合宿がいよいよ始まるぞってときにチーム分けミーティングが開かれて、三人とも合宿に参加することは決まっていたので会議室に集まったんですね。当初、誰が何をやるかは漠然としか決まっていなくて。なかば私が無理矢理な感じで、二人に『【2manji】お願いします!』って言って、ホワイトボードに名前を書いてもらって、チームができたんです。daiskipは元々モックを作った人なので、【2manji】やるだろうなとは思ってたんですけど、他にも開発の案件があって、なんかもうそっちに行くぞみたいな空気だったので、お願いしては見たもののちょっと無理矢理かなあ、申し訳ないなあと思ってました。」
daiskip「正直『あ、俺【2manji】やんの?』って思いました(笑)。」
ieiri「それはね、僕も全く一緒で(笑)。でもまぁ、当初ケッて言いながら見てたけど、なんだかんだいって僕がやるんだろうなっていうのは感じてた。」
neo「多分二人は言ったら断らないだろうなと思いつつお誘いして。」
ieiri「この二人しかいないと思ったでしょ、正直。」
neo「そうですね。それは前々から感じてた部分でもあるんですよね。ミルキーウェイ(※2)っていうものに対して。」
いよいよ合宿が始まり、お産合宿のページや広報ブログにも書かれていましたけど、ieiriさんが置いていかれるというハプニングがありましたね。
ieiri「僕がロックを貫いて『行かね』って言ったら・・・ほんとに置いてかれたっていう・・・」
daiskip「うわでた!って思ったよね(笑)。」
ieiri「でまあ僕は置いてかれたんで、そこでもまた疎外感ていうんですか。daiskipが書いた【ニ卍】のスレッドを見ていたときに感じていた疎外感をまた味わうことになるという・・・。でもね、みんな移動に4時間かかってたんで、その間にリードしてやろうって思ってましたね。あっちが作り始める頃には半分出来てるんだぜ、ぐらいの勢いでいってやろうと。」
daiskip「あのアクシデントは、逆に僕らのチームにとったらちょうど良かったんですよ。多分ieiriはそうくるだろうなと思ってたんで。」
向こうに着いてからはどうでした?開発担当の人がいないというのは大きな痛手だと思うんですけど。
neo「最初どうなることかと思ってました、合宿始まったときは。私は開発とかデザイン担当ではないし、daiskipは他にも掛け持ちの開発があったので、ieiriが来ないとなると、一人でぽつねんてことになりかねないっていう。」
daiskip「ちょうど合宿先では背中合わせで座ってたんですよ。僕の後ろにneoがいて。で、僕も同じチームなんで、まぁ心配じゃないですか。でも心配なんだけど構ってられないっていう状況だったんで、ほったらかしにしておきました(笑)。」
neo「だからもうずっと、ロゴを作ってました。残酷トリオのロゴを。ええと残酷の残の字を・・・」
ieiri「もっとやるべきことあるよね。プライオリティっていうのがあってね、ものごとには・・・」
daiskip「俺たちが言うなっていう(笑)」
neo「daiskipも忙しそうなんですけど、レイヤーってなんですか?みたいな、デザイナーに対して愚問!っていう質問しても優しく教えてくれるんです。『一つ言うならフォントは明朝で』ってアドバイスを言われたり(笑)。そのうち飽きたんで途中でやめてAboutを書き始めました。」
ieiriさんはひとり会社に残られましたよね。現場のお二人はどうやってコミュニケーションをとっていったのですか?メッセでのやり取りだけだと伝わりにくい部分もあるんじゃないですか?
daiskip「役割がはっきりと分かれてたんで、メッセだけでも十分でしたね。でも今回は直接メッセでやりとりしてないですね、僕とieiriは。neoが間に入ってやりとりしてましたね。」
ieiri「それがね、結果的によかったんじゃないですかね。」
neo「今までにない形ですもんね。」
ieiri「直接だとね、ぶつかるんですよ。開発とデザイン。O型とA型?。大雑把と、細かい。」
daiskip「いや、あまりぶつかったことないですね。」
ieiri「そうすね・・・・」
neo「サービスっていうのはあんな風にできていくんだなって思いました。夜中の2時にどんどん画面が変わっていくんですよ。まさに今やってる最中です!みたいな。感動しましたね。」
ieiri「それぞれ開発とデザインに集中できたのは、とりまとめとか、細かいページの作成をneoがやってくれたことが大きいですね。正直そういうのって煩わしいんですよ。のってるときにそういうのが差し込まれてくると一旦手が止まっちゃうんで。思考する能力がゼロになっちゃう。だからいいトリオだったなあって。」
今、3人で開発を行うというのは新しい形だという話が出ましたが、これまでにもieiriさんとdaiskipさんは、お二人でミルキーウェイとして活動されていらっしゃいますよね。通常の役割分担はどういう感じなんですか?
ieiri「僕はdaiskipのデザインに信頼を置いてるんで、口を出すことはないですね。HTMLわかりますっていうくらいの人で、デザインできるって勘違いしてる人だとガツンて言いますけど、daiskipはプロだしね。彼のデザインが好きなんで完全にそこは切り分けて考えることができるから、問題ないですね。逆にいうと、開発部分に口出すなってことですかね(笑)。デザインは全部信頼して任せているから、phpいじるなっていう(笑)。あ、でもねタグの閉じ忘れとかをだまって勝手にやってくれるぶんにはすごい助かってますね(苦笑)。」
neo「なんか一回ieiriから『あれ?変わってる、変わってるよ!』っていうメッセが来て。」
ieiri「いや、あれ僕怒ってたんです。上書きされてたんです。」
daiskip「今回ね、ファイルの上書きが何回かありましたね。合宿中もあって、昨日も作業中に上書きしましたしね(笑)。普段あんまりないんですよ。多分あれなんすよ。気持ちが入っちゃったんですよ、二人の。『俺が先に!』みたいな。」
ieiri「『私が払います!』みたいな。あれと一緒ですよ。交差したんですよ、熱い思いが。」
daiskip「・・・まぁ、ちゃんと開発環境作ろうよってことですね(苦笑)。」
ieiri「そうですね。」
そんなお二人の間に、通常カスタマーサポートをしているneoさんが加わったというのは非常に珍しいケースだと思うんですが、実際に参加してみてどうでしたか?
neo「私がやったことって、最初のアイデアと、その後思いついたことを二人にどんどん言うっていうことと、あとはAbout周辺のテキストを書いたこと、そしてこれから色々と微調整を入れていく感じなんですけど、やっぱり開発とデザインはできないんで、できないからこそ言えることがあるのかなと。例えば「ここの色をショッキングピンクにしてください」とか。たぶんデザインがちょっとわかってる人だったら遠慮して言わないだろうことを、逆に知らないからこそ言ってやれっていうテンションだったのが良かったんじゃないですかねえ。」
ieiri「あれですよね、デザイナーやプログラマーじゃない人でもサービスの開発に関わることができるっていう可能性を示しましたよね。」
neo「そう言っていただけるとうれしいですね。スキルはなくても思いつくのはいくらでもできるじゃないですか、アイデアの部分で。それを今回、ミルキーウェイという二人がいて、その人たちが形にしてくれたっていう・・・。シンデレラストーリーですよ(笑)。」
ieiri「僕ら飽きっぽいじゃないですか、いい意味で。すごくいい意味で飽きっぽいじゃないですか。」
daiskip「確かにいい意味で飽きっぽいですね。とてつもなくいい意味で飽きっぽい。」
ieiri「もう、ポン、ポンって感じで、いい意味で、飽きる(笑)。でも今回はそれがなかったんですよね。やっぱりもう一人関わってるっていうことに責任も感じましたし、裏切っちゃいけないっていうか・・・。僕、今までチーム編成でベストな人数は2人だと思ってましたけど、3人の可能性もでてきましたね。奇数っておめでたいんです。」
neo「新しい形が見いだせたということですね。」
では実際に、【2manji】はどういう感じで使うといいですか?
daiskip「僕も実際に使ってみて思ったんだけど、普通にブログとかに書く文章とは明らかに違ってくるんだよね。インタビューっぽく書こうとするので、カッコつけてる文体になっちゃう。カッコつけて書く事によって、普段書かないようなことを書いてしまう。なんか【2manji】というサービスがそこをうまくアフォードしてる気がするんですよね。普段ならBackSpaceで消してるであろう数%の言葉がでてきちゃう。」
neo「ブログと違うから、自分発信ていうよりは、聞かれたから答えてやるみたいな。大前提として『聞かれたから答える』というのがあるんで、気持ちいいと思うんですよね。あと、けっこう使いやすいサービスだと思います。敷居がすごく低い。」
ブログとは一味違ったサービスになっていますよね。すでに利用されている人も、なんだか伸び伸びと文章を書いていて。サービスの対象としては、どういう人に使ってもらいたいですか?
neo「ブログと実際会ったときのキャラが全然違う人いるじゃないですか。ブログの中では態度でかいんだけど、普段は「あ、どうもお疲れ様です・・」っていう。それがよくわからなくて。【2manji】だったら逆に素の感じが出せると思うんですよね、キャラを変えて書いてると疲れちゃうし。『2割ふざけの8割ほんと』くらいで書いていくと面白いなあと思います。」
daiskip「俺も、今neoが言ったように『2割ふざけの8割ほんと』みたいに書いてるんですけど、それってなかなかブログには書けないんですよね。なんていうんですかね、8割だったとしても真面目に良い事書くのってなんか恥ずかしい。そういうのを何も気にせずに書けるっていうのは、なんか気持ち良かったですね。『俺の意見を聞いてくれ。』みたいなことが【2manji】だと書きやすい。」
ieiri「すべての人に使ってほしいですね。まぁ、普段から口数少ない人が、自分のことを話す機会ってそうそうないんですよ。この3人だとごはん行ったりするんで話したりしますけど。口べたな人にこそ使ってほしい。やっぱりね、普通の人っていないんですよ。みんな特殊な過去があったり。」
neo「ieiriのインタビューも今までにない形で読めました。ふつう「社長」ってことでインタビューを持ってこられますもんね。新鮮に読めましたもん。」
ieiri「僕としては、肩書きより、一個人として僕を見て欲しい。」
daiskip「(苦笑)」
【ニ卍】がこれからも発展していくといいなあと思っています。今後、デザイン・開発面で注目して見てほしいところはありますか?
daiskip「これ系のサービスって、なにも考えずに普通に開発していくといわゆるSNSっぽい感じになってしまうんですが、それにはしたくないんですよね。『書く、そして読む』という部分に注力していきたい。」
neo「読むのが楽しいですからね」
ieiri「今まで作ってきた資産というか、世間一般には失敗といわれている、Atara(※3)。あれがなければこのサービスはできてなかったんで。ていうか、僕は誰がなんと言おうと、自分が生んだ子供は大切なんですよ(笑)」
daiskip「あれ?笑った。カッコワライだ(笑)」
neo「いいところだったのに(笑)」
ieiri「そのまぁ、鬼っ子?Ataraが、生まれ変われたっていうのは、それだけで一つのストーリーだし(笑)」
daiskip「また笑った(笑)」
ieiri「まぁ、技術的な話になりますけど、今回、JugemKey、OpenID、はてなIDに対応して、この技術を今後新しいサービスを作る時にまた使っていけますね。Ataraをベースにして【2manji】ができて、【2manji】がベースになって次の(ピーーーッ)が作れるっていう。12月リリース予定の(ピーーーッ)が見えてきましたよね。(ピーーーッ)が。」
daiskip「三段オチです。Atara、2manji、(ピーーーッ)。」
neo「(ピーーーッ)かぁ、なんかトリロジーですね。」
ieiri「三部作です。やっぱ(ピーーーッ)ですよ(ピーーーッ)(笑)。」
neo「とにかく、(ピーーーッ)も楽しみですけど、【2manji】をより多くの方々に使ってもらいたいですね。」
ieiri「はい、使ってもらいたいです。かっこつけまくって書いてほしい。」
daiskip「自分に酔いまくりながら書いてほしいですね。」
全員「そーですね(笑)」
- ※1 paperboy&co.のなんともロックな社内SNS。Grouptubeでできている。
- ※2 ieiri氏とdaiskip氏の二人によるクリエイティブユニット。
- ※3 ミルキーウェイが恥ずかしいので名前を伏せて世に送り出した、Twitter的な What's New を作るサービス。
おまけ
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くまっ太(オス、4歳) 【2manji】のお客様窓口担当。嬉しそうに「クマったなあ」と言うのが口癖。 246沿いで寒さに震えていたところをミルキーウェイが保護し、息子と同様に育てた。 ハチミツで机に蜂と書いて、それをぺろぺろなめるのが趣味。 いかなる場所でも、女性と二人っきりになったら緊張して死んだフリをする、逆に。 |




